553 :マ男 ◆kmd7lCK4/M:12/08 10:08:40.47 y/gtPGko
「ごめん、それは出来ない」
な、なんだってー!? こ、断ったぞ。
「っしゃ!!」
井出だけが猛烈に喜んでいた。
お前絶対ワザとだろ。
「え?」
中西さんが、なんで?という顔をしている。
相当な自信・・・かどうかは分からないが、この時点で切られるとは思ってなかったのだろう。
藤田さんはPCに顔を向け、口を開いた。
「気持ちは嬉しいよ。だけど、ごめん」
「えと・・・」
「プライベートは、ちょっと無理なんだ」
しばしの沈黙。
もう全員がドラマのワンシーンを見ているかの如く、二人を凝視していた。
「・・・わかりました」
いまいち納得が行ってない様子だが、トボトボと自分の席へと戻っていく中西さん。
リーダーが口を半開きにしている。井出が中西さんに声をかけた。
「中西さん、代わりに僕とどうかな? おいしいディナーを」
「ごめんなさい」
あ、哀れすぎる・・・。
なんだこの差は・・・。
露骨過ぎて、井出がかわいそうに見えてきた。
「はぁ・・・」
ため息をつき、席についた中西さん。
これじゃ、もう今日は仕事にならないだろうな。
そして翌日。
554:12/08 10:10:36.56 Ks8pSw60
井出バロスwwwwww
558 :マ男 ◆kmd7lCK4/M:12/08 10:17:49.58 y/gtPGko
中西さんは、今日も元気がないようだ。昼休憩がやってきた。
井出が真っ先に会社を出る。続いて中西さんも出て行った。
「おい、藤田」
「はい」
「なんでお前、昨日断ったんだ?」
「断った・・・?」
「中西さんの誘いだ」
リーダーが珍しく、他人の問題に関与している。
傍若無人を絵に描いたような人が、昨日の件について気にしていた。
確かに藤田さんの過去を知らない人間からしてみれば、あんな美人から誘われて断る男はそうは居ないだろう。
俺だって断らない。たとえ好意が無くてもだ。
それを藤田さんは断った。気になるのも頷ける。
「私では、彼女に応えられないからですよ」
「なんだおまえ、好意に気付いてんのか」
「何となくは。まぁ私では、彼女とは不釣合いでしょう」
本音なのだろうか。
どちらにしろ、中西さんの恋が叶う可能性は、これでもう万に一つも無い。
藤田さんは何事も無かったかのように、再び仕事に打ち込み始めた。
その背中は、どこか寂しいものに俺は見えた。
・・・中西さんの恋は、静かに終わろうとしていた。
560:12/08 10:25:37.07 xeZjD0go
案外井出と・・・
563 :マ男 ◆kmd7lCK4/M:12/08 10:29:16.83 y/gtPGko
そして、時は過ぎ去っていく。
中西さんの契約終了の日が迫ってきた。美人が去る・・・。
恋愛対象として見ていなかったとは言え、俺も男だ。
やはりそれはどこか寂しかった。
「なぁ、中西さん。ウチで正社員にならんか? 俺が社長に直談してやるぞ」
リーダーが声を掛けた。
中西さんは仕事が出来る。
戦力として残ってもらいたい気持ちは、俺にも当然あった。
「いえ、お気持ちだけ受け取っておきます。今の私じゃ、ここに居るのはちょっとw」
だろうな。
藤田さんは、無表情で中西さんを見つめていた。何を思っているのだろうか。
藤田さんのことだ。このような経験、一度や二度では無かったはずだ。
その度に、この人はあぁやって断って来たのだろうか。
だとしたら、昔の彼女の死は、それ程に重かったのだろう。
「中西さん、実は俺ずっと」
井出落ち着け。空気を読め。
「では、みなさんありがとうございましたw また機会があったら、その時はw」
井出の恋は、派手に終わった。
もとい、元から散っていたものが、完全に消滅してしまった。
564:12/08 10:31:56.28 8LMgo.AO
井出wwwwwwwww
570 :マ男 ◆kmd7lCK4/M:12/08 10:40:40.12 y/gtPGko
第四部「平成の孔明、マ男に過去を語る」このレスで終了だぜ。
そして年月は過ぎ去り、新卒がやってくる季節・・・つまり、春がやってくる。
出会いあれば別れあり。
その逆も然りだ。中西さんは去っていった。
それと同時に、二人の人物が姿を現す事となるのだ。
その人物は、果たしてどんな人間なのか?
俺を支えてくれる存在なのか、はたまた邪魔してくれる存在なのか?
藤田さんの罠で、精神的なレベルアップを果たすことが出来た俺。
しかし、その代償である藤田さんの過去話・・・それは、想像を絶する内容であった。
あの藤田さんが元NEETだったとは。
意外な共通点を発見し、さらに距離を縮めた俺と藤田さんは、この先も絆を深めていくことになる。
だが当時の俺は、これからぶち当たるさらなる壁の存在を、この時は知る由もなかった・・・。
そして残された、いくつかの『謎』・・・。
上原さんはいつ復帰するのか?
藤田さんがリーダーをやらない理由とは?
新たにやって来た二人の新入り、俺としては始めての後輩となる人物とは?
そして、スレタイの意味する限界・・・。
全ての『謎』が、次回でついに明らかとなる!
どうする俺!? どうなる俺!? 続くぅ!!
次回、第五部・最終章『もう俺は限界かもしれない』
572:12/08 10:43:01.15 t3dMG6ko
ついに最終章か!
578:12/08 10:51:22.22 zGPSe1U0
うん、面白いw
最終章がスレタイとか、どんな燃えアニメなのかとw

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